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私が死のうと思ったのは――三十歳誕生日記念エッセイ

僕が死のうと思ったのは
誕生日に杏の花が咲いたから
その木漏れ日でうたた寝したら
虫の死骸と土になれるかな
――中島美嘉「僕が死のうと思ったのは」(amazarashi作詞・作曲)

 いよいよこの日を迎えてしまった、この日まで生き延びてしまった――

 十代から二十代前半の私は、三十歳まで生きられればそれでいいと思っていた。
 そのことを私より二年早く三十路に足を踏み入れた恋人に言うと、「昔の友

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【短編】ヨハンとアデルの朝

早朝の広場で青果店の店主が腰を抜かしたとき、ヨハンとアデルはまだ目を覚ましていなかった。

青果店の店主は自分の店に向かっている途中だった。広場を横切って、アパートがひんやりと湿った影を落とす細い道を抜け、大通りを渡ったところに彼の店はあった。軒先に染みだらけの赤い幌が張ってある、街でいちばん古い青果店だった。その老人は、広場の中心を示す大きな楓の木に向かい合う形で、長椅子に浅く腰掛け、黒いステッ

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美しい一日でありますように。
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精神の破壊と再生をエンターテイメントに昇華するということ。

心の生き死にを記した記録を芸術と称すること。いつごろ、誰が始めたものなのだろうか。ロックスターが早死にする時代は終わった。とLady gagaが言った時、私はこの人について行こうと思った。
 でも実際のところそう約束してくれたGaga本人でさえ、私生活の切り売りと破綻と再生のスパイラルから抜け出せていないように思う。引退、そして華麗なカムバック。いや彼女の復帰作ArtPOPは本人にも知らない子扱い

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めちゃくちゃ嬉しいです!
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浴びる言葉って大事すぎる

大学時代、アメリカ人の
教授がこんなお話をしていた。

A、B、C 3人の
バスケットボール選手がいるとする。

彼らは出来るだけ沢山のシュートを
時間内に決めようとしている。

A選手がゴールめがけてボールを投げるとき
大勢の観客はポジティブな言葉をかけた。

「A!君ならできる!きっとできる!」

シュートが入ったら皆で喜ぶ。

「すごい、その調子!天才だよ!」

一方、B選手には何も言わなか

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やったー!ありがとうございます✨
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わたしは馬鹿じゃない

私は難聴です。
突発性であり進行性であり感音性の両側難聴です。

2014年の秋頃に人工内耳手術をして、今は装置を着けて生活しています。

その手術をする前、今より100倍くらい聴こえなかったときの話。

大学3年頃からどんどん落ちる聴力。

その頃はまだ障害者手帳がギリギリ持てないレベルだったので、普通の大学生と同じように就職活動をして、内定をもらい、就職しました。

就職してからも落ち続ける聴

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嬉しいです!
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亡き王女のためのパヴァーヌ

中高は吹奏楽部で、大学はオーケストラ部で、ホルンを吹いていた。かたつむりのような形の、右手を入れて吹くアレ、と説明すれば、わかってもらえるだろうか?ころんとした形の金管楽器だ。

最初から最後まで、10年間ずっと、上手になれなかった。ギネスブックに載っている難しい楽器なんだから、という慰めを差し引いても。
一曲をノーミスで吹けたことが、私にはおそらくないと思う。さらに困ったことに、私には努力する才

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おすすめ漫画:ガイコツ書店員本田さん(本屋の裏側がみられて楽しい)
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